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パワーカップルってどのくらいいるの?高収入世帯の注意点とは

経済とお金のはなし 織瀬 ゆり

パワーカップルってどのくらいいるの?高収入世帯の注意点とは

【画像出典元】「Roman Samborskyi/Shutterstock.com」

昨今、ネットやニュース等で「パワーカップル」という言葉を見聞きしたことがある方も多いのではないでしょうか。パワーカップルとは高収入を得ている夫婦を指す言葉である一方、一体どういった世帯がパワーカップルに該当するのかよくわからないといった声も少なくありません。本記事ではパワーカップルの定義や生活水準、家計における注意点についてまとめてみました。

パワーカップルの定義とは

パワーカップルとは、夫と妻のそれぞれが高収入を得ている夫婦を指す言葉のことです。パワーカップルの定義は明確に決まっているわけではなく、各書籍やメディアが独自の定義を設定しているケースが多く見受けられます。

たとえば、ニッセイ基礎研究所が2023年7月に公表した「パワーカップル世帯の動向」では夫婦ともに年収700万以上であることを「パワーカップル」と定義している一方、三菱総合研究所では夫の年収が600万円以上、妻の年収が400万円以上のあわせて1000万円以上の夫婦をパワーカップルと定義していました。

世帯年収1000万円超の世帯は12.6%

世帯年収
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厚生労働省の「2022(令和4)年 国民生活基礎調査の概況」によれば、2022年時点で世帯収入が1000万円を超す世帯は全体の12.6%となっています。

※出典:厚生労働省「2022(令和4)年 国民生活基礎調査の概況」

このデータでは男女それぞれの年収までを把握することはできないものの、世帯年収が1000万円を超える世帯は全体の1割程度であることがわかります。また、国税庁が公表した「2022(令和4年)民間給与実態統計調査」によれば、先ほどの三菱総合研究所が定義するパワーカップルに該当する男女の割合は以下の通りでした。

このデータからみても、男女あわせて年収1000万円を超える夫婦はそれほど多くないことがわかるでしょう。

夫婦それぞれの年収が700万円以上の世帯は全体の1%未満

一方、ニッセイ基礎研究所では、パワーカップルの定義を夫婦それぞれの年収を700万円以上としていました。ニッセイ基礎研究所が公表したレポートによれば、夫婦ともに年収700万円以上のパワーカップルは2022年で37万世帯(総世帯の0.66%、共働き世帯の2.25%)となっており、総世帯の1%を下回っていることがわかります。

世帯年収1000万円の手取りと生活水準

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三菱総合研究所の定義をベースに、世帯年収1000万円の手取りと生活水準について見ていきましょう。

世帯年収1000万円の手取り

仮に東京都在住の30歳の場合、年収600万円の年間手取り額は約527万円(月44万円)、年収400万円の年間手取り額は約314万円(約26万円)です。(※2024年時点の最新の税金・社会保険料の制度に基づいた手取り計算ツールにて計算)

ただし、この試算はボーナスなしの場合であり、一般的にはボーナスが支払われるケースがほとんどです。そこで、先ほどの条件で以下2パターンにおける手取り額を試算してみました。

【ケース1】

タレントスクエア「【月収・月給別】手取り計算ツール」より著者作成

【ケース2】

タレントスクエア「【月収・月給別】手取り計算ツール」より著者作成

上記より、ボーナスありで年収600万円と400万円の場合における月々の手取り額が把握できます。このパワーカップルの世帯収入は手取りで月約58万円ということです。

年収1000万円の生活水準

年収1000万円の2人以上世帯における生活水準について、総務省の家計調査(2022年度)をもとに主要な生活費について解説します。(※家賃は個々の生活スタイルに応じて大きく変動するため、除外とする)

■年収1000万~1250万円世帯

総務省「家計調査家計収支編 第2-3表 年間収入階級別1世帯あたり1か月間の収入と支出(2022年)」を一部引用し著者作成

上記より、住居費や教育費を除いた主な項目の平均支出額(月間)は約19万円であることがわかりました。手取りが58万円ほどであることを踏まえると、残り約40万円で住居費や教育費等をやりくりすることになるでしょう。

仮に家賃が月22万円、教育費で10万円かかるとすると、貯蓄に回せる金額は8万円前後となり、貯金できる金額は比較的少なくなります。

老後に向けた資産形成にも意識を向けよう

パワーカップルは比較的生活水準が高い傾向にあり、子どもの教育にも熱心な家庭が多く見受けられます。仮に夫婦共働きで世帯年収が1000万円を超えている場合、老後に受け取れる年金額は片働きに比べて多くなりますが、あまりに貯蓄が不足していると老後の生活に支障をきたすかもしれません。

そのため、パワーカップルはお互いに手取りが多いうちに老後に向けた資産形成に目を向けておくことが大切です。住宅購入費はもちろん、子どもがいる場合には子どもの教育費にどの程度のお金をかけるのか、夫婦で前もってよく話し合っておくようにしましょう。

また、低金利時代と呼ばれる昨今では普通預金にお金を預けていてもほとんど利息がつきません。iDeCoはもちろん、今年からはじまった新NISAなど、この機会に資産運用について今一度考えてみてはいかがでしょうか。